メディカルダイエット
メディカルダイエットとは
メディカルダイエットとは、医師の診断および管理のもとで行われる、医学的根拠に基づいたダイエット治療法です。自己流の食事制限のダイエットとは異なり、医療機関でのみ処方・使用が許可された医薬品や医療機器を用いて、安全かつ効率的に体重減少を目指します。
使用される薬剤には、食欲を抑制する効果や脂肪・糖質の吸収を抑える効果があり、過度な食事制限や運動を必要とせず、体質や目標に合わせた治療が可能です。
メディカルダイエットの効果
- 食欲を抑制
- 満腹感を持続させる
- 脂肪や糖質の吸収を抑える
- 血糖値の上昇を抑える
- 脂肪細胞を壊す
- 胃の排出を遅らせる
薬を用いたメディカルダイエットは、過度な食事制限や激しい運動を行わずに減量効果が期待できる点から、手軽で続けやすいと感じる方が多く見られます。特に、GLP-1受容体作動薬などは、自然な満腹感の持続や食欲の抑制をもたらすため、無理なく摂取カロリーを抑えることが可能です。
しかしながら、薬の作用と過剰な食事制限・激しい運動が重なると、低血糖などの副作用リスクが高まることがあります。そのため、自己流のダイエットと併用する際には注意が必要です。
一方で、適度な運動を並行して取り入れることで、基礎代謝の維持や筋肉量の保持が可能となり、リバウンドの予防にもつながるとされています。特にウォーキングや軽いストレッチ、筋トレなどは、薬の効果を補完し、健康的な減量をサポートするうえで有効です。
薬に頼りきるのではなく、医師と相談しながら、無理のない範囲で生活習慣も整えることが、メディカルダイエット成功の鍵となります。
GLP-1受容体作動薬の効果
GLP-1(グルカゴン様ペプチド-1)は、食後に小腸から分泌される「インクレチン」と呼ばれる消化管ホルモンの一種です。これらのホルモンは、インスリン分泌を促進し、血糖値の上昇を抑える働きを持ちます。
- 食べ過ぎ予防・食欲抑制
脳の満腹中枢に作用し食欲を抑制、食事量を自然に減少させる働きがあります。
薬剤によってこの作用が強化されると空腹感が起こりにくくなり、過食の予防につながります。
- 空腹感の減少
胃の排出速度を遅らせることで、食後の満腹感を長時間維持できます(胃排出遅延作用 )。
この作用により満腹感が持続しやすくなり、次の食事までの間に空腹を感じにくくなるという効果があります。
- 食欲抑制+脂肪燃焼の相乗効果
GIP(マンジャロの有効成分)には、脂肪細胞への脂肪蓄積を抑制し、エネルギー消費・基礎代謝の向上に寄与する効果もあるとされます。GLP-1との相乗効果により、より強力な食欲抑制と体重減少効果を発揮します。
リベルサスについて
リベルサスは、世界で初めて承認された経口タイプのGLP-1受容体作動薬です。 主成分であるセマグルチドは、脳の食欲中枢に作用して食欲を抑制し、胃の排出速度を遅らせることで満腹感を持続させます。これにより、自然に食事量が減少し、無理のない体重コントロールが可能になります。
GLP-1は「血糖値が高いときだけ働く」という性質があるため、低血糖のリスクが低く、安全性にも優れた薬剤とされています。さらに、基礎代謝を高める働きもあるため、脂肪の蓄積を抑えながら体重減少をサポートします。
マンジャロについて
マンジャロは、有効成分「チルゼパチド」を含む新しいタイプの注射薬で、週に1回の皮下注射で使用します。 この薬剤は、GLP-1受容体だけでなくGIP受容体にも同時に作用するという特長を持っています。
従来のGLP-1受容体作動作用に加え、GIP受容体にも作用することで、血糖コントロールや食欲抑制、脂肪代謝の改善に対してより強力な効果を発揮すると期待されています。 その結果、体重減少や内臓脂肪の減少に、優れた成果が報告されています。
よくある質問
Q.メディカルダイエットは安全?
メディカルダイエットに用いられる薬の中には海外製のものも含まれますが、日本国内では安全性が確認された医薬品のみが処方されています。 ただし、すべての薬には副作用のリスクがあるため、安心して治療を受けるためには、医師の指示に従って正しく服用することが重要です。
副作用が全く起こらないとは限りませんが、診察を通じて体質や健康状態をもとにリスクを事前に評価することが可能です。 不安な点や気になる症状がある場合は、必ず医師に相談し、自己判断での服用は避けましょう。
Q.メディカルダイエットが受けられない人は?
- 薬剤にアレルギーがある方
- 18歳未満の方
- 妊娠または授乳中の方
- 基礎疾患や既往歴により、医師が適応外と判断した方
- 他の薬との併用が禁忌とされる薬を使用中の方
これらに該当する場合、安全性の観点からメディカルダイエット用の薬剤が使用できないことがあります。 薬の種類や作用は多岐にわたるため、年齢・体質・持病・服用中の薬などを踏まえ、必ず医師の診察を受けたうえで適応の有無を判断してもらうことが大切です。
Q. 薬剤の効果はどのくらいで現れますか?
食欲抑制は比較的早く現れるため、初回投与後すぐに食事量が減る方も少なくありません。
多くの人が2〜4週間程度で体重の減少を実感しはじめます。
いずれも生活習慣(食事・運動)を併用することでより高い効果が期待できます。
注意点
GLP-1ダイエットで重篤な副作用が出た場合、原則として、国の医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。